とりあえず1000冊読んでみる

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489冊目:蘇るサバ缶

震災と希望と人情商店街

須田泰成

 

2011年3月11日東日本大震災による大津波が、石巻市にあった木の屋石巻水産の缶詰工場を壊滅させた。工場跡地に埋まっていた何万という泥まみれの缶詰を、震災前からつながりのあった世田谷の経堂の町に運ばれ、磨かれ、販売され、そして木の屋が復活していく物語。何度も何度も挫折しながら、なぜあきらめず頑張れたのか?木の屋のサバ缶が本当においしかったこと、それをもう一度食べたい。ずっと食べていたい。それを自分たちの手で守っていきたいと思いがあったのだろう。人がつながり、それが切れないためには、まず中心に来る商品、人物、それに加えて皆が共感する物語が必要なことを教えてくれた。

それにしても経堂、知り合いが何人か住んでいる町。こんなにまでも人情があふれているのか?今後東京に転勤になった際には候補地にしようと思った。