455冊名:日本への遺言
地域再生の神様〈豊重哲郎〉が起こした軌跡 出町譲
鹿児島空港から車で2時間。鹿屋市の柳谷地区、通称:やねだん。公民館長に就任した豊重哲郎さんがいかに限界集落を再生させたか。
何度か地方再生の本は読んできたが、ここまで一人の男の信念でたくさんの、町全体を動かしたものはなかったと思う。商売っ気がないからか、公務員の町おこしでないからか、豊重さんの信念、考え、その言葉が一つ一つが具体的で苦労してきた男の言葉として刺さってきた。まだまだ自身の足りなさを感じ、自戒の念が燃え上がった。
補助金を頼らず自分たちでサツマイモを育て、家畜のにおいを消す土着菌を開発するなど自主財源をつくり、自ら課題を解決していく、それを全員で。
まさしく、子会社として親会社に任せるのではなく、自ら考え全員で解決していくことが本当に必要なんだと見につまされたもの。リーダーとしての情熱は十分かを常に問う必要があると実感。
忘れたくない豊重さんのメッセージを以下に記す。
補助金頼みになると制約が増えるばかり。自立心が失われ、真に地域のためにならない。自分のことは自分でやるのが当たり前。補助金頼みになるとアイデアが出てこない
リーダーは命令形で指示してもだめだ、情熱で人を動かし感動で感謝の心を養うことが重要だ。
持続可能な消滅しない地域づくりにはやはり、文化と子供がキーワード。
地域活動では特に不平や不満を言う人は必ずいます。とにかく粘り強く話し合うことが大切なんです。急ぐな、あわてるな、近道するなが最も重要。
リーダーはあきらめないという気持ちを持つこと、情熱があれば必ず人はついてくる。