とりあえず1000冊読んでみる

人生の幅を広げるために1000冊読んでみる。軌跡を残すためのブログです。

387冊目:破天荒

高杉良さんの本。これが私の最後の作品になるかもしれないと帯に書いており、これはと手に取った本。

 

今までに何冊か高杉良さんの本はよんできたが、全然違い、自信に満ち溢れた主人公が強気一辺倒で、沈むことなく準風満帆なストーリー。お色気シーンもなく単調な展開に途中でやめようかとまで思わせる展開。途中、主人公の杉田亮平が高杉良さん自身と分かり、ぐっと引き込まれていく。素性が知れてからは、過去の作品を書いた背景なども描写されており、ああ、こんな苦労してこの作品が書かれてたんだとわかり、どんどん読み進めた。全体を通して物語にアップダウンはなかったが、読み手としては前半ダウン、後半アップアップとなり、我慢して読み進めて本当に良かったと思える本であった。

最後のくだりに高杉良さん自身の今の官僚、経営者への思いが語られており、高杉ファンとしてはその思いに、そうだなあと感慨を深く持った。

心にとめるために書き記しておく。

キャリア官僚や公務員は使命感が強かった。世のため、国のためにどうあるべきという使命感が常に念頭にあった。企業経営者も小粒化している。自分の会社のことだけを考えるようになった。メディアの劣化も否定できない。昔の記者には使命感があった。貴社には大局観を持ってほしいと切に思う。